高雄の防空壕(軍事遺址-鼓山洞)を見学してきました。
この防空壕は、
- 第二次世界大戦当時は、防空壕として
- 南下政策の軍事要塞として
- 戦後は、蒋介石率いる国民党政府に接収され、白色テロ時代の尋問・拷問施設として
使用されていました。
見学料は、50元(約180円)と格安。
ここまで見応えのある遺跡なのに、50元とは安すぎます。
展示されている忘れ物や、防音対策の発泡スチロール、今にも壊れそうなベンチなど、歴史を物語る生々しいものがありました。
決して目を背けてはいけない歴史だと思いました。
歴史好きな方は、ぜひ一度その目で見てください。
高雄鼓山洞防空壕への行き方
軍事遺址-鼓山洞、見学は事前予約が必要です。
(予約方法について詳しくは、記事下をご覧下さい)
そして、予約した日に指定の場所に集合します。
指定の場所は、高雄市政府工務局違章建築處理大隊の前です。
指定の場所へ行くには、
- 高雄MRT西子灣駅2番出口から、延鼓山一路を10分ほど歩く
- 高雄MRT鹽埕埔駅2番出口から、延五福四路を10分ほど歩く
このどちらかの方法で行けます。
高雄鼓山洞防空壕を見学しました
概要
- この上には忠烈祠があり、そこに高雄神社がありました。
- ツアーガイドの陳さんは広島へ留学していたこともあり、日本語が堪能なので、中国語が分からない方にも超お勧めのスポットです!
- 韓國瑜市長の禿げ上がった可愛いキャラクターが・・・(笑)

超大型防空壕
当時、この防空壕は秘密裏に掘られました。
- 当時の工事を目撃した人
- 日本統治時代終了~国民党政府接収までの短い期間に、ここへ入って遊んだ当時の子供達
を除いて、近隣住民さえもその存在を知りませんでした。

防空壕として使用されていた当時から、なんと冷房を完備していたそうです。
当時としては非常に大型、かつ重要度の高い防空壕であったことが伺えます。
最低収容人数も800名と、その規模の大きさが伺えます。
高雄政府の「南区警備総部」によって接収された後、白色テロの元、思想犯・政治犯の尋問や拷問に使用されたそうです。
謎のシャワールームと防音対策の発泡スチロール

写真右手に見えるのは、国民党時代に造られたトイレとシャワールームだそう。
しかし、シャワーは当時から出ない仕様だったそうで、本当は何の目的で造られたのか、未だ調査中。

そして、この通路の壁を覆う白いものは、全て発泡スチロール。
国民党政府接収後に、なんと尋問&拷問時に大きな声をあげても外に音が漏れないよう、防音の為に貼られたものです。
どのくらいの防音効果があったかを試してみました。
発泡スチロールが貼られている所と、一部発砲スチロールが剥がれて無くなっている所。
声を出して比較すると、その効果は歴然・・・。
今でも真っ白な発砲スチロールに、言いようのない恐怖を覚えます。
忘れ物の恐怖
奥に進むと、尋問に使われた部屋がありました。
警棒やら手錠やら、物騒な物が机の上に無造作に置かれていました。
これらは当時の利用者の「忘れ物」だそうで、そのまま拾い集めて陳列しているそうです。

その中にガーゼのような物がありますが、なんとこれを広げると、簡易の防毒マスク・・・。
どの時代に何の為に用意されたものなのか、色々想像してしまいます。

鍾乳石の階段
そこから更にトンネルを進むと、出口に繋がると思われる上り階段が現れました。
実はこれ、世界でもここだけの、非常に珍しい階段。

長い年月を経て、鍾乳石で覆われてしまった階段です。
正直、これを見る為だけでも、ここに来る価値あり。
防空壕時代の名残
途中の通路には、防空壕時代のポスターなども飾られています。



秘密の入口
出入口は全部で6箇所あるそうですが、その中でも絶対に見ておくべき出入口があります。
現在は「出入口」というか「入口」で、これを見るためには、一度防空壕の外に出ます。
中と繋がっているはずなのに…。
外へ出て、道路の途中に突如として出現する、廃屋のものと見られる緑のドア。

こんな所に!?という驚きに次いで、中に入ると、なんとそこには先ほどの鍾乳石の階段が!
ここに繋がってたのね。
なるほど、さすがに鍾乳石の階段は使用できないので、外から入り直す必要があったわけです。

見学の際の注意点
- 地面が濡れている箇所があるので、靴や服は多少濡れても良いものを。
- また、蚊が多いので、暑くてもロングパンツ着用をお勧めします。
- 案内途中でツアーガイドの方が防空壕の電気を消してくれます。暗所恐怖症の方は死にかけるので、事前に電気を消さないよう嘆願してください。
まとめ
2018年11月に公開されたばかりで、まだ観光客は少ないようです。
しかし、このクオリティと価格だと、たちまち人気が出そうです。
行くならどうぞお早めに。
場所(中文) | 高雄軍事遺址-鼓山洞 |
住所 | 高雄市鼓山一路53巷111號 |
見学可能時間 | 木~日の10:00-15:00 |
見学費用 | 50元 |
予約方法 | https://www.facebook.com/GushanCaveGuide/ |
このFacebookページから、予約フォームへ飛んで下さい |

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